好きだったバーが今月いっぱいで閉店するというので最後に飲みに行ってきました。
写真はマスターに勧めてもらった桃のお酒。 甘くておいしかったです。
寂しいな、と思いきや、4月からすぐ近所で新しくイタリアンレストランを始めるとのこと。
終わりあれば始まりあり。お店でも人間関係でも、慣れ親しんだものがなくなってしまうのはどうしたってさびしいけど、その代わりによりよいものができるならきっとそのほうがいいのだと思う。
なにかが終わりかけてる時、それがたとえ自然の流れで逆らえないものだとしても、私達ときたらいつだってそれをとどめようと悪あがきをしてしまう。
そうして、本来は新しいことのために使うはずだったエネルギーを無駄にしてしまうのだ。
年をとるにつれてだんだんとそういう仕組みがわかってきて、たいていの人は効率よく生きる方法を探していくんだけど、まれにそういうことを根っこから拒絶している人がいて、そういう人が、おうおうにして「アーティスト」と呼ばれているのだと思う。
かれらはあえて自分から死地に首を突っ込んでいき、当然それはものすごく痛いからギャーってなっているわけだけど、ただ、その「ギャー」が自分の創作活動のみなもとだと本人もよくわかっているから、たとえその「ギャー」を目の前でなまなましく披露されても、わたしには傷口に馬油でもぬりながら「つらいね」と言うことしかできないのである。
まあ「アーティスト」と呼ばれるような特殊な人たちでなくても、生きていると、周り中コントロールできないものだらけなので、せめて自分の感受性くらいはコントロールしたいところだけど、言うはやすし、ニンゲンの心ほど奥深くてやっかいなものはないので、せいぜいヤケドが火ぶくれ程度で済むよう注意するしかないのである。
話が思いっきりそれちゃいましたが、とにかく最近、あちこちで「閉店」の張り紙を見かけることが多くて寂しかったんだけど、そこに「新店舗は○○なのでよろしくご贔屓に願います」と書かれているのをみると、ああよかった、今度はそっちで新しい花を咲かせるんだな、とほっとします。