フェイスラインが重力を感じ始め、やばいなーと思い始めたのが今年の春。
ここ半年間、骨気(こるぎ)マッサージというのをやって頑張りました。
週に一回、顔を強い力でゴリゴリやられる痛みに耐え、
おかげでこないだ台湾へ行った時のマッサージなど屁でもないくらい強くなり、
もちろん、いつかは重力やらなんやらに負ける日が来るのはわかってるんですが、
あらがいたいじゃないですか、力の続く限りどこまでも。
今、カラダも鍛えたいと思ってアクションの稽古もやってるんですが、
当然のことながら「似合わない」と全方位から言われ続けております。
知ってますよ、似合ってないです。
運動神経ゼロだし体力もないし、アクションのセンスもナシ。
だけどなんでやってるのかというと、ひとえに「マイブーム」だからです。
と同時に、
たぶん皆様、ワタシが着物でも着たり歌舞伎でも観に行ったりすれば「似合ってる」とかいうんでしょうけど、
私の場合(他の人は違います)、そういう「似合ってる」ことばっかりしてると、なんかお迎えが近くなっちゃうような気がするんです。
だからあらがいたいのです、どこまでも。
顔に関して言うならば、眉をあげるクセをつけるとたちまちオデコに猿ジワがより、
仏頂面を三日してると口元にゝのカゲができます。
私個人でいえば、顔の弱点は薄すぎる目元の皮膚。
この部分についてはすでに20代の頃から「油断すると長門裕之になるよ」と警告され続けています。
まさに楳図かずおの漫画「おろち」に出てくるあの、年いくと顔が崩れる宿業の姉妹のような予言です。
「万有引力とは引き合う孤独の力である」といったのは谷川俊太郎ですが、
女はいくら孤独でもこの引力にはまだ負けたくないと思うのですよ。
そして口角を上げるとほほのたるみがある程度抑えられることをある時期に発見し、
一日に何度もニッと笑うくせがついてしまいました。
しかしそうなると今度は「ほうれい線」ってやつが鼻のヨコに出てくるので、
今度はほっぺたをこめかみの上まで引っ張り上げて、というのを仕事しながらせっせとやる。
女は忙しいんです、いろいろと。 下向いて小説書いてるだけだとあっという間にいろいろ下がってしまう。
ちなみに私はいろんなことが「下がらない」ためのコツをひとつ持っていて、
それは日々の生活の中で「虫の目」「鳥の目」「魚の目」を同時に持つようにこころがけること。
「虫の目」は文章を書いてると自然と培われてくるのですが、
そればっかりだと視野が狭くなってうつになるのでパッと誰かと飲みに行く、それが「魚の目」。
そして視野を立体的にするべく旅に出る、これがいわゆる「鳥の目」。
このみっつがうまいぐあいにバランスとれると心もカラダもいい感じになってきます。
そしてなにをやるにも口角を上げる、これ必須。 基本も基本。
もういっそ妙齢女子をつのって「口角機動隊」でも結成しようかと考える今日このごろです。
〔佐伯紅緒公式ブログ 2013年10月28日〕