毎年、この時期になると、あと何年生きられるんだろう、とか、
このまま大したこともできないまま人生終わってしまうのかな、とか、
つい考えが後ろ向きになってしまって、
どうしてだろう、誕生日が近いせいだろうか、
などと考えていたんだけど、
あるとき誰かから
「それはお盆のせい」
と言われ、ああ、そうか、と気が楽になった。
毎年、この時期は地獄の釜のフタが開く、じゃないけれど、
ふだんはわりと遠い、見えない世界との距離がいつもより近くなり、
そのせいで思考もいつもと変わり、
めったに考えない「たましい」のことなんかをせっせと考えたりするのかもしれない。
そう考えると、きっとそれ自体は決して悪いことなんかじゃなく、
むしろ、この時期にしか見えない新しい発見にぶち当たったりする可能性もある。
寂しいくせにひとりになりたいと願うのもこの時期で、
そういうときは、無理に予定を入れず、夜の公園のベンチとかでボーッとしている。
だからみなさん、今の時期、もし夜の公園でパナマ帽かぶってボーッとしてる女を見たら、
ああお盆モードなのね、と生温かい目で見守ってやってください。
毎年たいてい、お盆が明けたらまた人を誘ってビールとか飲み始めますから大丈夫です。
〔佐伯紅緒公式ブログ 2014年8月11日〕