超久しぶりの更新です。
報告が遅れましたが、映画『Re:Born』の全撮影が昨日の朝、無事終了しました!
下村勇二監督に主演の坂口拓さん、稲川先生、キャストやスタッフの皆様、アクション部の方々、本当に、本当に長丁場お疲れ様でした。
正直、私は脚本を書いただけなので、本来なら長々とこんな文章を書く資格はないのですが、この一年を通じ、随分成長させていただいたのでそのお礼の気持ちだけはさくっと書かせていただきます。
そもそも脚本家というのはニコラス・ケイジ主演の映画『アダプテーション』にあるように、通常は書いて提出してしまえばそれきりです。
撮影現場に顔など出そうものならまず守衛さんから「ここは関係者以外立ち入り禁止ですよ」と追い出され、入ればおずおずと差し入れなんかを助監の方にソッと渡し、椅子など出された日にはヒャアと恐縮してそそくさと入館証を返して帰る...のが普通ですが、
今回、まさかこんなに現場のいろいろを見せてもらえるとは夢にも思いませんでした。
しかも最高峰のアクション。
かけがえのない経験です。
ただただ感謝しかありません。
最初はアクション映画という、わけのわからないことづくしで、さらに下村勇二監督・坂口拓主演作品という過分な仕事へのプレッシャー。そして監修の稲川先生のご経歴を聞くに至ってはただ絶句するのみでした。
なので、書いている間じゅうずっと、胃は痛いわ電球は切れまくるわ猫は寄ってこないわで正直大変きつかったんですが、一旦引き受けたからにはできるできないじゃなく「やる」しかないのがこの稼業。
期待に応えれば認められ、ダメなら次がないだけです。
そして、書いていればいつかは終わる、直していれば何かが降りる。そう思いながらあーでもないこーでもない、の日々にとどめをさしてくれたのは坂口拓ちゃんの一言、
「紅さん、俺らを信用して」
でした。
ああそうか、小説とは違うのか、映画というのは制作過程に助けてくれる人がいるんだ、と目から鱗。(遅すぎる)
生来、臆病者のヘタレでこの年になってもまだ飛行機に乗るのが怖く、だけど運の強い人が乗っていれば飛行機は絶対落ちない、と運の強そうな人を乗るたびにキョロキョロ探す癖があります。
でもそれでいったら今回の映画、きっと最初から何の心配もいらず、だったら私ごときがいちいち全体の心配などをする必要はなく、ただ微衷を尽くすのみ。そう思うようになってから少し気が楽になりました。
(遅すぎる)
長くなってしまいましたが、この映画の製作に関われたことは私にとって間違いなく人生の転機となりました。
半世紀近く生きてきて、それなりにいろんな経験を積んできたつもりでしたが、大げさでなく、あんなものを見せられたのは初めてです。
まだ撮影が終わったばかりで公開まで更にしばらくかかるかと思いますが、早く現場でわたしが見た「あれ」をひとりでも多くの人と共有できるよう、一ファンとして完成を心待ちにしています。